Date: 12月 5th, 2016
Cate: アナログディスク再生
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ダイレクトドライヴへの疑問(その26)

SMEの3012-R Specialは、これまで見てきたトーンアームの中で、最も美しい。
ステレオサウンド 57号の広告、58号の記事に登場したときも、美しいと思ったし、
1981年春、無理して購入して自分のモノとして触れた3012-R Specialは、やっぱり美しかった。

音でいえばSMEのSeries Vのほうが優れている。
Series Vも欲しい、と思ったトーンアームである。

3012-R Specialが登場して35年が経った。
改めて美しいトーンアームだと思っている。

3012-Rも金メッキを施したGoldモデルと、
内部配線を銀にし、ナイフエッジを金属にしたProモデルが出た。

日本では金メッキというと、成金趣味と捉えられがちだが、
3012-R Goldの金メッキはしっとりした感じで、これはこれでいいと思う。

価格はずいぶんと高くなったけれど、3012-R Specialよりも音はいいように感じた。
金メッキはトーンアーム全体を適度にダンプしてくれるようで、
金という金属は、オーディオにとっても特別な金属であることを認識することになる。

とはいえ、いま欲しい、つまりもう一度欲しいと思うのは、3012-R Specialである。
Series Vでもなく、GoldでもProでもなく、スタンダードな3012-R Specialがいい。

3012-R Specialに続いて、3009-R、3010-Rも登場した。
パイプのサイズが違うだけのモデルが出てきて、
ますます3012-R Specialが美しいかを感じていた。

ロングアームが音がいい、という人もいれば、そうではない、という人もいる。
使用するカートリッジによっても、そのへんは変ってくるし、
音だけで選ぶならば他のトーンシームがある。

いま、この齢になって欲しいと思うのは3012-R Specialであり、
特にオルトフォンのSPUのGタイプのようにボリュウムのあるカートリッジの場合、
3012-R Special以上に美しさのバランスのとれたトーンアームは他にない。

けれど3012-R Specialう装着して美しいと思えるターンテーブルがない。
このことは以前にも書いたように、プレーヤーシステムとしてバランスがくずれてしまう。

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