Date: 11月 6th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その89)

瀬川先生の原稿は、続いている。
黄金の組合せについて、触れられている。
ここまでで約5000字ほどある。

そして録音の変遷について触れられている後半といえる文章(約6000字)がある。
     *
 ここで少し、クラシック以外の音楽の録音について補足しておく必要がある。アメリカでは、かつて50年代に全盛を迎えたモダン・ジャズが、1960年、オーネット・コールマンらの登場によって前衛ジャズになり、いっときは混迷期に入り、やがてクロスオーヴァー、フュージョンという形でこんにちにいたる。また、プレスリーの登場でロックンロールが、またイギリスでのビートルズに刺激を受けて新しく誕生したポップ・ミュージックのグループが、さまざまに分裂し展開してゆくプロセスで、演奏される楽器は、その大半が電気楽器、電子楽器に置き換えられ、エレクトリック・サウンドがこんにちのポップ・ミュージックのひとつの核を形成している。シンセサイザーの性能もますます複雑化してゆく。
 ビートルズ、及びそれ以後のロックやポップのグループ・サウンズの、初期のステレオ録音を聴いてみると、明らかに、アクオンエンジニアの戸惑いが聴きとれる。ピアノ、ウッドベース、それに各種金管やギターあたりまでの、在来の楽器の録音で腕をみがいた技術者も、エレキベースをはじめとして、ドラムスもキーボードも、すべてスピーカーから相当の音量で再生される電気・電子楽器を、マイクロホンでどうとらえるか、については、ずいぶん頭を悩ませたらしい。電気・電子楽器は、スピーカーから出る音自体がナチュラルな楽器よりもはるかに音量が大きく、しかもすでに歪んでいたりする。そういう音を、マイクロホンで拾ってテープに録音してみると、音の歪はいっそう強調される。とくに低音楽器の音量が大きい。それが、トランジスター化された初期の録音機材では、録音系のダイナミックレインジで頭打ちになって、音がつぶれて、よごれて、実にきたない音になる。そうした音が、どうやらそれらしく録音されるようになってきたのもまた、70年代に入ってからのことで、ことに最近は完全に新しい録音技術が定着して、素晴らしく聴きごたえのする録音が続出している。ロックのレコードを、オーディオ機器の音質判定のプログラムソースに使うなどということは、60年代には考えられなかった。かつては音の悪いレコードの代表だったのだから。
 いまアメリカでは、アメリカン・ポップスの新しい流れ、たとえばデイヴ・グルーシンなどに代表される新しい曲が、シェフィールドなどの手で作られると、これはもう、クラシックのレコードでは全く想像のつかない音の世界だという気がする。パーカッションのダイナミックレインジの伸びのすごさ。そして、かつてのようにデッドなスタジオで演奏者を分離してマルチトラック録音した時代とは逆に、ライヴなスタジオで、十分に溶け合う音で演奏され、録音される。つまり音楽が生きている。レコードの音は、クラシックもポップスも、ほんとうに自然な姿を表現できるようになりはじめた。歌謡曲、艶歌、あるいはニューミュージックの分野でも、それを聴く人たちが良い再生装置を持つ時代に、古いままの録音技術ではいけないということで、本格的に音を採りはじめるようになっている。レコードの録音は、ほんとうに変りはじめている。そういう変化を前提として、そこではじめて、これからの再生装置のありかたが、浮かび上ってくる。
──以下次号──
     *
前半を後半をつなぐ部分が、まるでない。
そこをどう書かれようとされていたのか。

前半のおわり、黄金の組合せのところでも、
録音について触れられている。
なので、まったく想像がつかないわけではないが、それでもどう展開されていかれたのか。

明日は11月7日だ。

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