オーディオの「本」(読まれるからこそ「本」・その3)
私が小学生、中学生のころは、
田舎町にも書店は何軒もあった。
それから貸本屋もけっこうあった。
貸本にはハトロン紙というのだろうか、半透明の白い紙のカバーがつけられていた。
東京にも貸本屋があるのを意外に感じたのは、30年以上の前のこと。
東京も貸本屋は少なくなってきた。
いま住んでいるところには、徒歩10分ほどのところに一軒ある。
客はあまり見かけないが、ずっと続いているから需要はあるのだろう。
個人経営の書店は近辺で三軒なくなったが、この貸本屋は残っている。
AmazonのKindle Unlimitedは、インターネット上の貸本屋と思う。
そういう時代を生きてきたからなのかもしれないが、
Kindle Unlimitedという横文字の名称であっても、
毎月定額で読み放題の貸本屋がインターネットにあるのと同じである。
貸本には半透明の紙のカバーがついていた。
そのカバーを外して読むことは出来なかった。
だから書店で買ってきた本とは感触が微妙に違う。
この感触の違いはKindle Unlimitedにもある。
紙の本とは違う感触が、そこにある。