広告の変遷(スタントンの広告)
数日前にも書いてるが、広告は、時として記事よりも、知りたい情報を与えてくれる。
意外な情報も与えてくれる。
アナログディスク全盛時代、スタントンとピカリングはアメリカのカートリッジメーカーとして、
よく知られていたし、私はピカリングのXUV/4500Qは欲しかったし、
スタントンの881Sもいいカートリッジだと思っていた。
他にもエンパイアの4000D/III、
グラド・シグネチュアのSignature II(高すぎたし、あっという間になくなった)も、
欲しいと思ったカートリッジだった。
この中でもスタントンは業務用のカートリッジメーカーだった。
スタントンのカートリッジには681シリーズがあった。
681A、681SE、681EE、681EEEがあった。
実はこれら以外に681BPSというモデルがあった。
これは完全な業務用で一般市販はされていない。
通常のLPを再生することはできないカートリッジだからである。
レコード制作には検聴のためのカートリッジが必要となる。
カッティングしたばかりのラッカー盤の検聴として有名なのは、
ウェストレックスの10Aであり、ノイマンのDSTである。
レコードの制作過程ではもうひとつ、別のカートリッジが必要となる。
それはスタンパーの検聴用である。
スタンパーはプレスに使われるわけだから、そこに溝は刻まれていない。
溝とは逆に、隆起していて、通常のカートリッジではトレースできない。
そのためバイポイントカートリッジというモノがある。
681BPSは、そのバイポイントカートリッジなのだ。
681BPSの存在を知ることができたのも、記事ではなく広告だった。