五味康祐氏とワグナー(その1)
五味先生のスピーカーは、いうまでもなくタンノイのオートグラフ。
アンプは最初はQUADの管球式で鳴らされた。
その後、いろいろなアンプを使われている。
最終的にはマッキントッシュのC22とMC275の組合せである。
MC275は、岩竹義人氏の手によって内部配線を銀線に交換されたモノなのかもしれない。
アンプはC22、MC275の他にカンノ製作所の300Bシングルを晩年は使われていた。
コントロールアンプはマークレビンソンのJC2も使われていた。
アナログプレーヤーはEMTの930stを長いこと愛用されていた。
私はてっきり930stの専用インシュレーター930-900も使われていると思っていた。
ステレオサウンド 55号に載った五味先生のリスニングルームの写真。
930stは930-900なしの状態だった。
意外だった。
ステレオサウンドの原田勲氏との仲からいって、
930-900の評判を知らずにいたとは思えない。
だから930-900を使われているものだと思いこんでいた。
アナログプレーヤーに関しては、927Dstの導入を考えられなかったのか、とも思う。
927Dstの音は聴かれている。
930stと直接比較をされたのかどうかははっきりしないが、
されていないくとも930stとの実力の差がどれだけのものかは掴んでおられたはずだ。
それでも927Dstにはされなかった。
でも一方でオープンリールデッキは、スチューダーのC37を導入されている。
それまで使われていたオープンリールデッキが930stクラスだとすれば、
C37ははっきりと927Dstクラスのモノである。
なぜだろう、と昔から思っていた。
いまも思っている。