日本のオーディオ、これまで(ヤマハNS1000M・その7)
ステレオサウンド 64号の特集では、三組のスピーカーシステムを使っている。
JBLの4343が通常の位置に置かれ、その両脇にタンノイのArden IIとヤマハのNS1000Nだから、
NS1000MとArden IIのセッティングは、決していいとはいえない。
しかもNS1000Mはブックシェルフ型でスタンドを必要とする。
確か、このときのスタンドは他社製のスピーカー用であり、
しかもオーディオ店で使いやすいように、ということでキャスターが付いているモノだった。
お世辞にもスタンドとして、音的に推奨できるタイプではない。
ステレオサウンドでも、64号以降、このスタンドは使っていないし、
ブックシェルフ型スピーカーシステムのセッティングは、かなり変っていった。
それでもケンウッドのL02Aで鳴らしたNS1000Mの音は、印象に残っている。
スタンドをきちんとしたモノに変更し、4343とArden IIを試聴室から運び出して、
NS1000Mだけにして、L02Aで鳴らしたら、どこまで音をチューニングしていけただろうか。
そのことを考えると、いまでもワクワクしてくる。
NS1000MもL02Aも、いま程度のいい個体を探しだすのは大変なことだろう。
オーディオ店では、完全メインテナンス済みと謳っていたりするけれど、
そんなのは信じない方がいい、とだけはいっておこう。
64号の試聴ではNS1000Mの条件は決していいものではなかった。
それでも、あれだけの音を聴かせてくれた、という記憶はしっかりと残っている。