私的イコライザー考(妄想篇・その12)
BOSEの901には専用イコライザーが付属する。
セパレートアンプではコントロールアンプとパワーアンプ間に挿入すればいい。
プリメインアンプだったら、TAPE OUT/IN端子を使う。
いまのプリメインアンプで、TAPE OUT/IN端子をそなえたモノはどれだけあるだろうか。
901をグレードの高いプリメインアンプで鳴らすことは十分にある。
けれど、TAPE OUT/IN端子がなければ専用イコライザーの接続が難しい。
CDしか聴かないという人ならば、
CDプレーヤーとプリメインアンプ間に挿入すれば済むが、
他のプログラムソースも聴くとなると、そうもいかない。
それに最近ではデジタル処理のイコライザーも、興味深いモデルがいくつも登場している。
これらを使うには、セパレートアンプでなければならないのたろうか。
プリメインアンプにデジタルのTAPE OUT/IN端子がついていてれば、
すんなり接続可能になる。
けどいわゆるTAPE OUT/IN端子はなくなりつつある。
なにかいびつなものを感じるのだが……。
少し話が逸れてしまったが、901は専用イコライザーがなければ、
まともな音にならない。
いまはどうなのだろうか、専用イコライザーのクォリティも高くなってきたのだろう。
以前、専用イコライザーをグラフィックイコライザーに置き換えて、
井上先生が調整していった音を聴いている。
901に搭載されているフルレンジユニットは、
こんなに素直な音だったのか、と認識を改めるほど音は変った。
いまならば専用イコライザー、グラフィックイコライザーを使わずに、
デジタル処理のイコライザーをもってくることが考えられる。
デジタル処理によって、
アナログのグラフィックイコライザーでは無理だったパラメータも調整できる。
その音を聴いてみたい、と思うとともに、
さらにもう一歩すすめたイコライジングを施した901の音はどう変化するのか──、
そう思うことがひとつある。