Date: 9月 8th, 2016
Cate: 柔と剛
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柔の追求(その10)

ステレオサウンドとその別冊に書かれていることに、間違いはない──、
そんなことは当時もまったく思っていなかった。
当時は巻末にお詫びと訂正が載っていた。

でもメーカーのスピーカーの技術者のページで、
技術的な間違いの記述があるとは、まったく思っていなかった。

私がハイルドライバーの動作原理を、あのころすぐには理解できなかった理由のひとつが、
HIGH TECHNIC SERIESでの
《背面も前面と同じ特性の音波を放射する(背面は逆相となる)》だった。

だからこそしっかりと記憶していて、いまここで書いている次第だ。

プリーツ状のダイアフラムが伸縮する。
そうやって音を出すのであれば、前面も背面も同相の音が放射されるはず……、
なのに、HIGH TECHNIC SERIESには逆相となっている。

しかも書かれているのが佐伯多門氏である。
ステレオサウンドだけでなく、他のオーディオ雑誌にもスピーカーの記事を書かれていたし、
技術系のオーディオ雑誌では技術解説もされていた。
当時は有名な人だった。

だから疑う気はまったくなかった。
疑っていたら、ハイルドライバーの動作原理の理解はすんなりいっていたはずだ。

HIGH TECHNIC SERIESのこのことに関する訂正記事はなかった、と記憶している。

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