日本のオーディオ、これまで(ヤマハNS1000M・その4)
測定で昂奮する。
そういうことがあるなんて予想だにしなかった。
昂奮していたのは私だけではない、長島先生も興奮されていた。
とある国産のセパレートアンプ(L02Aよりも高価である)は、
負荷インピーダンスを瞬時切替すると保護回路が働いてしまい、
データをとるのも大変だった。
そういうアンプばかりだと測定は、ほんとうに手間がかかる。
それに同じアンプを三回測定する。
しかも64号で行った、どこもやっていない新しい測定だと手間はよけいにかかる。
測定は地味な作業だ、と感じていた。
興味深い面も確かにある。でも地味な面もある。
負荷インピーダンスの瞬時切替での測定は、
国内メーカーからは否定的な意見もあった。
それでもアンプの優秀性は、はっきりと表していた、といえる。
プリメインアンプには、特に酷な測定であった。
そう思いはじめていたときに、L02Aの測定の番だった。
それなりに優れた特性であろう、というこちらの予想をはるかに上廻る優秀さだった。
ここで昂奮し、その後セパレートアンプの測定に移って、また昂奮していた。
セパレートアンプでL02Aを超えるアンプはなかったからだ。
匹敵するアンプもなかった。
L02Aよりも容量に余裕のあると思えるアンプはいくつもあった。
けれどL02Aの瞬時電流供給能力には及ばない。
L02Aは、トリオ独自のΣドライブをもつ。
スピーカーケーブルもアンプのNFBループにおさめてしまう方式である。
L02Aの優秀さは、Σドライブをかけてもかけなくとも変化しなかった。