日本のオーディオ、これまで(ヤマハNS1000M・その1)
別項「prototype(NS1000X)」を書いていたら、
NS1000Mについて書きたくなってきた。
私がこれまで聴くことができた日本のスピーカーシステムで、
自分のモノとしたいと思ったのはそれほど多くはない。
まず挙げたいのはビクターのSX1000 Laboratory。
自分の手で一度は鳴らしてみたい、と思わせる。
次に挙げたいのが、ヤマハのNS1000Mである。
実はNS1000Mに、最初から高い関心をもっていたわけではなかった。
私がオーディオに興味を持ち始めたころ、すでにNS1000Mは高い評価を得ていた。
すでにベストセラーのスピーカーシステムでもあった。
海外のオーディオ機器とは違い、熊本のオーディオ店にも置いてあった。
いいスピーカーなんだろう、と思いながらも、
若さゆえというか、もっともっと上を見ていたかった。
NS1000Mは当時108000円(一本)だった。
安いスピーカーではないが、4343などと比べれば、ずっと身近な存在であり、
そのことが逆に興味を失わせていた。
なのでNS1000Mの音をきちんと聴いたのは、ステレオサウンドの試聴室だった。
64号の特集、プリメインアンプとセパレートアンプの試聴においてだった。
64号では、スヒーカーとの相性をさぐる、という意図で、
スピーカーシステムはJBLの4343のほかに、タンノイのArden II、ヤマハのNS1000Mが用意された。
この試聴でさまざまなアンプで鳴らされるNS1000Mの音を聴いた。
この試聴でもっとも印象に残っているのは、ケンウッドのプリメインアンプL02Aで鳴らした音だった。