Date: 8月 4th, 2016
Cate: audio wednesday, 「スピーカー」論, 柔と剛
Tags:

第68回audio sharing例会のお知らせ(柔の追求・その2)

ハイルドライバーの動作原理は、40年前のスピーカーの技術書に記述があった。
ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIES 3でも、
トゥイーターの基礎知識として、ハイルドライバーについての記述があった。

ピストニックモーションではないハイルドライバーの動作原理は、
すぐに理解できていたかといえば、そうでもなかった。
それに当時ハイルドライバーのユニットを搭載していたシステムは、
ESS一社のみだった。しかもこの会社、JBL、アルテック、タンノイなどの著名ブランドと違い、
地方のオーディオ店に置いてなかった。

だから存在はしていたし知ってはいるけど……、というところにずっと留まっていた。
ESSもいつのころからか輸入されなくなってもいた。
ハイルドライバーについて語ることがあっても、昔話のように語っていた。

結局、私が聴くことができたハイルドライバー搭載のシステムは、
エラックのCL310が最初である。1990年代も終りに近いころだった。

知人宅で聴いた。
鳴った瞬間、驚いた。
この瞬間から、ハイルドライバーは昔話ではなくなった。

ハイルドライバーは固有名詞のようで、
エラックのトゥイーターはAMT(Air Motion Transformer)と呼ばれている。
ESSの時代から、Air Motion Transformerであり、ESSの型番はamtから始まっていた。
ただ日本ではハイルドライバーと呼ばれていたわけだ。

同じAMTでも、ESSのハイルドライバー、
つまり1970年代に技術書に載っていた構造と、エラックのAMTの構造は違うところもある。

現在AMTのユニットを採用するメーカーは増えてきている。
そうだろうな、と思う。
AMTのもつポテンシャルは高い。まだまだ良くなっていくと思うし、
現状のAMTにはやや気になる点がないわけではない。

AMTのユニット使ってスピーカーシステムを自作するならば……、
どのユニットを使おうかと、情報収集していた時期もあるし。
マッキントッシュのXRT20のトゥイーターコラムをAMTで構成したら……、
そんなことも夢想したりもした。

2015年、無線と実験を手に取って、驚いた記事があった。
ハイルドライバーの自作記事だった。
それもハイルドライバーを入手してのスピーカーの自作記事ではなく、
ハイルドライバーそのものの自作記事だった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]