Date: 7月 31st, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その44)

ステレオサウンド 49号だけを見ているぶんには気づかなかったことが、
50号を手にして、49号の特集にはカラーページがなかった、と気づいた。

50号は創刊50号記念特集を謳っていた。
五味先生の「続・五味オーディオ巡礼」で始まり、特集のページに続く。
巻頭座談会として、井上卓也、岡俊雄、菅野沖彦、瀬川冬樹、山中敬三の五氏による
『「ステレオサウンド」誌50号の歩みからオーディオの世界をふりかえる』があり、
岡俊雄、黒田恭一、両氏による『「ステレオサウンド」誌に登場したクラシック名盤を語る』、
「オーディオ一世紀──昨日・今日・明日」(岡俊雄)、
「栄光のコンポーネントに贈るステート・オブ・ジ・アート賞」、
「オーディオ・ファンタジー 2016年オーディオの旅」(長島達夫)があった。

巻頭座談会、「栄光のコンポーネントに贈るステート・オブ・ジ・アート賞」にはカラーページがある。
50号のあとに49号にもどると、
49号には「続・五味オーディオ巡礼」はなく、特集から始まる。
しかもカラーページはない。

カラーページなしの特集は、ステレオサウンドにしては珍しい。
しかも49号の特集は、《第一回STATE OF THE ART賞》と、
これから先も続けていくことをはっきりと示している。

ステレオサウンドにとって初めての「賞」の特集であり、
今後も続けていくことを考えているのだから、
一回目は華々しくカラーページを使い……、と思いがちなのに、
カラーページが巻頭からまったく登場しない。

49号でカラーページがあるのは、「サウンドスペースへの招待」だけという、
記事の内容ではなく、パラパラと手にしたときの印象は、49号はどうしても地味になる。

想像してみてほしい。
いまのステレオサウンド編集部が、それまで賞をやってこなくて、
初めて賞のつく企画を開始するとしたら、大々的にカラーページを使って、
華々しい印象の誌面にするはずである。賞ということを全面的に押しだす。
49号は、なぜか地味な印象を与えるかのような誌面になっている。
つまり賞の企画であることが、STATE OF THE ARTの後にいるかのようにも感じさせる。

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