ダイレクトドライヴへの疑問(その21)
数ヵ月前だった、facebookでダイレクトドライヴについての議論のようなものが目に留った。
肯定派、否定派による議論であれば読んで得られるものがあるが、
そこでは議論にはならずに議論のようなものの段階で留っていた。
ダイレクトドライヴはダメだ、と主張する人も、
ダイレクトドライヴは優れていると主張する人も、
なぜ、そこだけしか見ていない? と思えるほど微視的な視点での、
それも相手の言い分を聞かずに(読まずに)、一方的に主張するだけに終始していた。
アナログプレーヤーがLPをのせて回転するだけで事足りるモノであれば、
そこでの議論のようなものも議論にもう少し近くなろうが、
アナログプレーヤーはそういうモノではない。
回転機器として十分な性能を持っていたとしても、
オーディオ機器として充分かというと、そうではない。
テクニクスの新しいダイレクトドライヴを見ていると、
まさにそうである。回転機器としては、あのつくりでも問題はないであろうが、
オーディオ機器として見た場合には、問題が残ってしまう。
ああいうつくりにしてしまうのは、大量生産と安定した品質を得るためであることはわかるが、
それではオーディオ機器とはいえないのである。
オーディオエンジニアリングの不在が、SL1200の最新モデルからみてとれる。
何もSL1200の最新モデルだけがそうだというわけではない。
だがダイレクトドライヴを生み出したのは、テクニクスである。
だから、つい厳しいことを書きたくなる。