Date: 7月 11th, 2016
Cate: アナログディスク再生
Tags:

私にとってアナログディスク再生とは(デザインのこと・その35)

フィデリティ・リサーチのFR7の対極にあるカタチのカートリッジといえば、
オルトフォンのConcordeシリーズである。

どちらもシェル一体型だが、スマートさにおいては両極端の存在である。
ConcordeはMI型がメインだったが、MC型のMC100、MC200も発売になった。

Concordeシリーズのカートリッジをトーンアームに取り付けて、
FR7と見較べてみると、このふたつのカートリッジのスタイルの違いは、はっきりとしてくる。

さらにオルトフォンには、
SMEのトーンアーム3009 SeriesIIIの交換パイプと一体型のSME30Hもある。
FR7は3009 SeriesIIIには取り付けられないので、
別のトーンアーム(例えばFR64S)に取り付けてみると、
カタチの違いはもっとはっきりとしたものになる。

どちらがよくて、もう片方がダメというようなことではなく、
どちらもアナログディスクの音溝をトレースするオーディオ機器であり、
アンプやスピーカーとは異り、サイズ、重さに制約を大きく受けるカートリッジであっても、
これだけ、その世界が大きく違うことは、アナログディスク再生の奥の深さでもあり、
私にとっては、どうしてもFR7のカタチが受け容れ難いのかを認識させてくれる。

これから書くことは、FR7を愛用されている方からすれば、怒りを買うかもしれない。
それでも、FR7を見ていると、昔も今も感じることに変りはなく、
どうしても気になってしまう。
そして、もしかすると瀬川先生かFR7を無視されているのは、同じ感じ方をされていた……、
そんなふうにも思ってしまう(まるで違う可能性も否定しない)。

FR7の傾斜している部分に丸がふたつある。
これが目のように見えてくる。
そうなると、FR7が何か動物の頭のように思えてしまう。
さらに針先の位置を表すための縦のラインが入っている。

そんなふうに受けとっているのはお前だけだ、と言われそうだが、
FR7のカタチは男性ならば毎日数回は接している体の一部を、あまりにもイメージさせる。
つまり性的なもののイメージである。

オーディオのデザインとして性的なイメージを感じさせるものがダメなのわけではない。
性的なイメージが、ヒワイなイメージとなってしまうのが、受け容れ難いのだ。
ようするに洗練されていない、と思っている。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]