音の聴き方(マンガの読み方・その5)
(その3)に書いているように、
マンガは二ページ、もしくは一ページ全体をまず見ることから、読むことは始まるといえる。
マンガの読み方に長けている人にとって、
本(紙だけでなく電子書籍も含めて)のサイズは大きい方が、
細部もはっきりと読めていいといえるが、
読み慣れていない人、不得手な人にとっては、
長けている人にとって適しているサイズは大きすぎるということになりかねない。
ひと目でパッと見渡せるサイズとして、もっと小さなサイズが適しているからだ。
これは電子書籍になり、そのためのハードウェアの種類があり、
サイズも複数用意されている時代だからこそ、
捉えようによってはマンガにとって、いい時代を迎えている、ともいえる。
まず全体を把握すること。
そのために自分に適したサイズを選び、慣れてくれば大きなサイズへと移行していく。
同時にコマ割りの把握、コマを追っていく順序、
絵とセリフ、それから効果音・擬音などの把握を徐々にこなせるようになっていくものだと思う。
一コマ目から凝視していくような読み方では、マンガは楽しめないのではないだろうか。
音の聴き方も、実はそうである。
そしてマンガの電子書籍のサイズにあたるものは、音の場合は何になるのか。
それを把握して、自分に適したサイズの「音」から始めていくのは、
音の聴き方を訓練していく上で重要なことだと思っている。
ただ凝視するような聴き方だけをしていては、
見えてこない(聴こえてこない)領域(世界)がある。
オーディオは比較することが多い。
そのため細部を凝視する聴き方を、人はまず身につけてしまうことが多い。
でも、そこから一旦離れた聴き方をしなければならない。