Date: 6月 23rd, 2016
Cate: High Resolution
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Hi-Resについて(その6)

ステレオサウンド 57号でマッティ・オタラは、
100ぐらいのわかっていない歪が存在していると思う、と発言している。
そうかもしれない。

静的特性の歪ではなく、動的特性の歪に関しては、
意外にもそうなのかもしれない。
まだまだわかっていない歪が、かなりの数あっても不思議ではない。

57号ではTIMの他に、IIMについての説明もある。
     *
長島 TIMはスピーカーを除外したアンプ内のNFBの不正確な部分がクローズアップされたもので、これに対して、IIMはアンプにスピーカーをつないだ状態で、NFBの不正確さを追求したものと解釈していいわけですね。
マッティ・オタラ そのとおりです。このIIMを発見したきっかけというのは、スピーカーを聴いていると、400Hz〜1kHzのところにホーンで聴いているようなこもった感じがある。周波数特性はフラットなんでしょうがその辺が盛り上がった感じに聴こえる。どうしてだろうと思って、アンプやスピーカーを替えて聴いてみた。いいスピーカーといいアンプで聴くと、それがフラットに聴こえるんですけど、悪いスピーカーと悪いアンプでは、もちろんそうなっているのですが、スピーカーの悪さにマスクされてそれほど変わらない。いいスピーカーと悪いアンプで聴くと、まさしくアンプのこれが出てくるんです。これがIIMの発見のきっかけでした。ですから、悪いスピーカーを使っているのだったら、いいアンプを使う必要はないわけです(笑)。
 PIMは簡単にいいますと、フェイズ(位相)と振幅の直線性が一致しないという点を問題にしているわけです。
     *
マッティ・オタラはTIMにしてもIIMに関しても、
まず理論があって、これらの現象を発見したのではなく、
あくまでも音を聴いて疑問を感じ、その疑問の発生原因を追及していくことで、
動的歪を発見している。

このことはとても重要なことであり、科学にとって観察することが、
それも正しく観察することから始まる、ということを改めて教えてくれる。

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