Date: 6月 24th, 2016
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「聴覚の心理学」

先日「聴覚の心理学」という本を手に入れた。
共立出版株式会社の現代心理学体系の一冊であり、昭和32年(1957年)に出版されている。

私が手に入れたのは昭和39年の初版第三刷。
ずいぶん前の本であり、しかも注文伝票(しおり状のもの)がついたままなのだから、
どこかの書店に売れずに残ったものだったのかもしれない。

著者は黒木総一郎氏。
奥付の著者紹介には、こう書いてある。
     *
大正3年神戸市に生る。
昭和12年東京大学文学部心理学科卒業後、同大学文学部副手、助手、嘱託を歴任、その間東京市立聾学校、陸軍航空通信学校嘱託などを兼任。
戦後外務省嘱託、相模女子大講師などを経て、昭和25年日本放送協会に入り、現在同協会技術研究所音響効果研究室主任。なお昭和25年夏から一年余米国に留学、アイオワ大学およびハーヴァード大学大学院学生として、またMIT電子工学研究所客員として音響心理学を専攻した。
     *
ほとんど忘れかけていた本である。
この本のことを知ったのは、ラジオ技術の別冊に武末数馬氏が書かれていたからだ。
そのころ手に入れようといくつか古書店を探しても見つからなかった。
それでいつしか忘れかけていた。

それをたまたま思い出して(といっても書籍名だけである)、検索してみた。
うろ覚えに近かったけれど、インターネットは便利になったと、こういうときに感じる。
筆者名もすぐに出てくる。そしてインターネットで注文した。

読み終えたわけではないから、目次だけを書き写しておく。

第1章 聴覚刺戟の性質
 第1節 音波
 第2節 音の波形
 第3節 音響スペクトル
 第4節 周波数の測定
 第5節 音の強さ
 第6節 デシベル
第2章 聴覚の生理学
 第1節 耳と聴覚
 第2節 外耳
 第3節 中耳
 第4節 内耳
 第5節 聴神経
 第6節 聴覚中枢
 第7節 聴覚異常
第3章 音の心理物理学
 第1節 音ときこえ
 第2節 可聴範囲
 第3節 マスキング
 第4節 弁別限
 第5節 音の周波数と高さ
 第6節 音の強さと高さ
 第7節 両耳効果と音の定位
 第8節 音の変化の知覚
 第9節 音色の知覚
第4章 音のない世界 ──ろうと難聴──
 第1節 聴力とは
 第2節 各種聴力検査法の比較
 第3節 純音聴力検査
 第4節 骨導聴力の検査
 第5節 語音聴力の検査
 第6節 各種聴力検査と補聴器
 第7節 年齢と聴力
 第8節 騒音と聴力
第5章 音だけの世界
 第1節 聴覚と通信
 第2節 言葉の伝送
 第3節 音楽の伝送
 第4節 Hi-Fiの問題

 附録1 オージオメーター(規格)
 附録2 指示騒音計(規格)
 附録3 簡易騒音計(規格)
 附録4 デシベル換算表

これを見て興味を持つ人もいれば、まったく持たない人もいよう。 

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