Date: 8月 12th, 2017
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これから(AT-ART1000・その5)

余韻が短くなってきたな、と感じるのは、
オーディオのことではなく、社会全般のことだ。

小学生のころ、正月は長かった。
田舎町ということもあってだろうが、
大半の店が初売りは5日ぐらいだった、と記憶している。
店によっては7日に開けるというところもあった。

熊本にはポレエルというおもちゃ専門店があった。
ここだけが元日から営業していた。
それが珍しい存在だった。

それからオリンピック。
あのころは、オリンピックが終りしばらくして、
新聞社が出す写真誌(アサヒグラフ、毎日グラフ)が、
オリンピックの特別号を出していた(と記憶している)。

当時と今とでは、印刷のスピードが違う。
編集作業にかかる時間も、いまでは短縮されている。

オリンピックのような大きなイベントが終って、
すぐにでも特別号的なものを出版できるが、あのころは遅かった。

遅かったからこそ、
そこまでオリンピックという四年に一度の大きなイベントの余韻が持続していた、ともいえる。

こんなことを書いているのは、
オーディオでも同じことを感じはじめたからである。

オーディオテクニカのカートリッジAT-ART1000が、
ドイツのオーディオショウで発表された時、これは話題になる、と思った。

話題にはなった。
でも、私が思っていた話題になる、は、もう少し長く持続しての話題になる、だった。

けれど話題の余韻は、短かった。
AT-ART1000という製品の性格上・構造上、もっと持続してほしかった、と思う。

AT-ART1000を絶賛はしないが、このカートリッジは、
カートリッジを愛でる、という感覚からも、持続して取り上げられるモノだと思う。

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