muscle audio Boot Camp(その9)
4月のaudio sharing例会では、まず喫茶茶会記で使用しているネットワークを使った。
12dB/oct.の800Hzのクロスオーバー周波数のものである。市販品だ。
アンプはマッキントッシュのMA2275のあとに、
First WattのコントロールアンプB1、パワーアンプSIT2に交換するなどの試聴の手順は、
(その1)に書いたとおりだ。
12dBの並列型ネットワークから6dB並列型ネットワークに変更。
このときの音の変化も大きく、
聴いていた人から「明るくなった」という声があった。
6dB直列型ネットワークは、どんな音を聴かせてくれたのか。
まず声がいい。これはみんなが感じていたことで、
5月のaudio sharing例会でも12dB並列型から6dB直列型にかえて、
声がよくなった、という感想が聴けた。
4月のaudio sharing例会では下がアルテックに上がJBLというシステム。
このシステムにも関わらず、聴いていて、ほんとうにJBLが鳴っているのか? と思っていた。
アルテックのA7やA5は、”The Voice of the Theatre System”の愛称で呼ばれる。
上がJBLなのに、これも”The Voice of the Theatre System”ではないか、とさえ思っていた。
短い時間での調整だから、下のアルテックと上のJBLがまったく違和感なく鳴ってくれるとは、
鳴らす前から考えてはいなかった。
12dB並列型から6dB並列型にネットワークをかえても、
少しは改善されてはいたが、この点に関しては気になってくる。
けれど6dB直列型では、ここが大きく変ってきた。
もちろん上はJBLだから、純正アルテックの”The Voice of the Theatre System”の音とはいわないが、
下のアルテックと上のJBLの馴染みが、いい感じで鳴ってくれるのだ。
たとえ同じブランドのユニットであっても、
ウーファーは紙の振動板でコーン型、
上はホーン型でアルミニウムの振動板で、形状はドーム型なのだから、
理屈で考えれば、ふたつのユニットがすんなりつながってくれるはずがない、といえる。
それでも時には、マルチウェイがひとつのユニットかのように鳴ることがあるのもわかっている。
6dB直列型ネットワークにすると、
ふたつのユニットのつながりが、有機的になったかのようにさえ感じられる。
音を出す前から、直列型ネットワークの良さは各ユニットのつながりにあると予想はしていた。
実際には私の予想以上のつながりの良さだった。