ステレオサウンドについて(その22)
田中一光氏の部屋が登場していたのは、「サウンド・スペースへの招待」という連載記事の第23回だった。
「サウンド・スペースへの招待」は、私にとって最初のステレオサウンドとなった41号にも載っている。
42号、43号、44号と「サウンド・スペースへの招待」を読んできていた。
41号といっしょに買った「コンポーネントステレオの世界 ’77」の巻末にも、
「サウンド・スペースへの招待」の筆者、斉藤義氏による「サウンド・インテリアの楽しみ」というページがあった。
カラー16ページに、八つのリスニングルーム(というよりスピーカーのある部屋)が紹介されていた。
多摩プラーザの家「ナチュラルな空間・ナチュラルな響き」
清瀬の家「ホワイト・アブストラクト」
玉川学園の家「くつろぎの城」
V・ハウス「ビルト・インの手法」
梶ヶ谷の家「ヨーロッパ的なセンス」
矢崎さんの家「……しながらの音」
船の家「サウンド&ヴィスタ」
「ウィークエンド・サウンド」
「サウンド・インテリアの楽しみ」、「サウンド・スペースへの招待」は、
スピーカーは部屋に置くモノだ、ということを認識させてくれる。
そして「サウンド・インテリアの楽しみ」、「サウンド・スペースへの招待」は、
オーディオマニア訪問記に登場するリスニングルームとは、どこか違う。
その部屋への憧れが、まずあった。
このことをはっきりと感じたのは、ステレオサウンド 45号の田中一光氏の部屋だった。