ステレオサウンドについて(その10)
一回目のベストバイの35号、二回目のベストバイの43号、
この二冊のステレオサウンドのあいだに、六冊のステレオサウンドと二冊の別冊が刊行されている。
性格には「世界のオーディオ」シリーズも刊行されているが、
編集意図が異る別冊なので除外する。
36号の特集は「スピーカーシステムのすべて(上)」、続く37号は「スピーカーシステムのすべて(下)」で、
この二冊で80機種のスピーカーシステムを試聴している。
38号は「オーディオ評論家──そのサウンドとサウンドロジィ」、
39号は「世界のカートリッジ最新123機種の総試聴」、
40号は「世界のプレーヤーシステム最新50機種の総試聴」、
41号は「コンポーネントステレオ世界の一流品」、
42号は「プリメインアンプは何を選ぶか 最新35機種の総テスト」となっている。
別冊は1976年夏に「世界のコントロールアンプとパワーアンプ」が出ている。
ここでは72機種のセパレートアンプの試聴が行われている。
もう一冊の別冊は1976年暮の「コンポーネントステレオの世界 77」で、
45の組合せが登場する。
この時代のステレオサウンドは、総試聴、総テストという言葉があらわしているように、
徹底した試聴と、そして測定を行っていた。
スピーカーシステムの総テストを二号にわたっておこなう。
このスタイルは44号、45号でも引き継がれている。
この二冊は「フロアー型中心の最新スピーカーシステム総テスト」であり、
さらに46号では「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質をさぐる」で、
つまり三号続けてのスピーカーシステムの特集となっていた。
25号と43号のあいだで、
ステレオサウンドはアナログプレーヤー、カートリッジ、プリメインアンプ、
コントロールアンプとパワーアンプ、そしてスピーカーシステムと、
全ジャンルの総テストを行っている。
(カセットデッキ、オープンリールデッキは隔月刊のテープサウンドが行っていた。)
これだけのことが行われてきたうえでの、43号のベストバイ特集である。