Date: 1月 25th, 2016
Cate: ショウ雑感, 日本のオーディオ
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2015年ショウ雑感(日本のオーディオ、これから・その8)

ダイヤトーンのふたつのスピーカーシステム、DS1000とDS10000は、
前者をベースに、まるで別モノとおもえるレベルまで磨き上げたのが後者である。

ステレオサウンド 77号には、
菅野先生による「日本的美学の開花」と題されたDS10000についての詳細な記事が載っていて、
そこには囲みで、「DS10000誕生の秘密をダイヤトーンスピーカー技術陣に聞く」もある。

ダイヤトーンの技術陣は、
DS1000と10000は別モノといえるから新規でまったく別の製品を開発したほうがよかったのではないか、
という質問に対して、こう語っている。
     *
ダイヤトーン DS1000は、システムの基本構成の上で非常に高い可能性を持っていると、我々は確信していたのです。基本構成においてもはや動かし難いクリティカルポイントまで煮詰めた上で完成されたDS1000のあの形式で、どこまで音場感が出せるかという技術的な興味もありました。また、システムを再検討するにあたって、ベースとなるデータが揃っているということも大きな理由のひとつでした。まったく別ものにしたとすると、その形態の問題が加速度的に表れてきて、本質を見失ってしまう可能性が出てくる。そこで、既製のものでいちばん可能性の高いものとしてDS1000を選んだのです。
     *
このことはヤマハがNS5000において、
ごく一般的といえる日本独特の3ウェイ・ブックシェルフ型のスタイルをとった理由も、同じのはずだ。
まったく新しい形態のスピーカーシステムの開発に取り組むのもひとつの手であり、
むしろその方が購買層には歓迎されるであろうが、オーディオ雑誌も喜ぶであろうが、
だからといっていいスピーカーシステムになるとは限らない。

「日本的美学の開花」は、そのへんのところも含んでのものといえる。

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