KK塾(四回目)
KK塾、四回目の講師は、長谷川秀夫氏。
今回の講演で、もっとも印象深かったのは、知見だった。
知見の蓄積と活用ということだった。
長谷川秀夫氏の話は、専門のロケットを含む宇宙開発に関するものであり、
直接的にはオーディオとは何の関係もないように思われるかもしれないが、
知見の話は、オーディオの、まさに使いこなしの話といえた。
そして品質保証という話もあった。
オーディオで品質保証といえば、それはメーカー側の話であるように考えがちだが、
このことも使いこなしに関係してくる。
家電、炊飯器や掃除機、洗濯機などは、
メーカーが保証する品質そのままが家庭でも再現される。
ところがオーディオは、アンプ、スピーカー単体では用をなさないわけで、
つねにコンポーネント(他社製品との組合せが大半である)において、
その性能(音)が問われる。
しかも使い手の技倆によって、例え同じシステムであったとしても出てくる音に違いが出てくる。
ここでの品質保証(音)は、誰によってなされるのか。
そのために必要なことは何なのか。
そういったことを考えていた。
そしてシステマティックという言葉もあった。
これこそが使いこなしに必要不可欠といえるものであり、
井上先生がもっとも得意とされていた。
そのことを思い出していたから、今回の長谷川秀夫氏の話は、
私にとってオーディオの使いこなしに結びつくものだった。