スーパーウーファーについて(その5)
ずっと以前、アルテックは、ウーファー(Woofer)のことを、Basic Speaker と呼んでいた。
もっともアルテックのスピーカーシステムは、例外的なモノはごくわずかあるものの、
すべて2ウェイと言い切ってもいい。
そしてウーファー(Basic Speaker)は、クロスオーバー周波数の低いA5で500Hz、
高い方のものでは、同軸型の604では1kHzをこえる。
最低音域から、500Hzから1kHzぐらいまで及ぶ使い方をしているため、
ベーシックスピーカーと呼ぶのも当然のことだが、
それでも単にどこまで受け持っているか、
ただそれだけのことでウーファーをベーシックスピーカーと呼んでいるわけではないだろう。
やはり音楽の土台として低音が、重い意味をもっているから、ではないだろうか。
やはりずっと前の話になってしまうが、日本では中音が大事だといわれた時期があった。
一時期流行ったドンシャリ傾向のスピーカーシステムに対する警句の意味も含まれてのことだとも思うが、
このころ、中音が音楽の土台だという発言もあったときく。
中音は、音楽の土台なのだろうか。
もしほんとうにそうだとしたら、中音を受け持つスピーカーユニットを、ベーシックスピーカーと呼ぶべきだろう。
だが、そう呼ばれたという話は、いちどもきいたことがない。
くどいようだが、音楽の土台は「低音」である。