スーパーウーファーについて(その4)
土台(低音)のレベル(大きさ)はいじらず、その上にのる音(メインスピーカー)のレベルを調整する。
これは、なにも珍しい調整方法というわけではない。
無意識であろうと意識的であろうと、スピーカーシステムのレベル調整の低音を基準にして、
多くの人は調整していっているはずだ。
ステレオサウンド 51号に掲載されている「4343研究」のなかでも、
JBLのマルゴリス氏は、4343の各ユニットのレベル調整の方法として、
まず上二つの帯域(ミッドハイの2420とトゥイーターの2405)のレベルを完全に絞り切って、
ウーファー(2231A)とミッドバス(2121)のバランスをとることからはじめている。
これが済んだら、次はミッドハイのレベルをあげていき、バランスをとる。
そしてトゥイーターのレベルを調整。
これで全体のバランスをとったあとに、さらに微調整にはいる、というものだった。
4343では──他のスピーカーシステムもそうだが──、
ウーファーのレベルは調整できない。
だからこそまずウーファーと、その上の帯域を受け持つミッドバス、
このふたつのユニットのバランスをきちんととる、ことからはじめるわけだ。
そして、ウーファーが受け持つ低音は、やはりベーシックな土台でもあるわけだから、
その土台を基準とするのが、あたりまえすぎることである。
よくスピーカーシステムのレベル調整となると、
とりあえず耳につく帯域のレベルコントロールをいじりがちだ。
2ウェイシステムだったら、レベル調整はトゥイーターのひとつのみだから、それでもいい。
でも4343のような4ウェイともなると、レベル調整は3つある。
ただやみくもに、中域が耳につくからと感じて、ミッドハイのレベルを落としていく、
そんなような調整方法をやっていては、対処療法的なレベル調整になってしまいがちだ。
もちろんバランス調整であれこれ苦労して、ノウハウをしっかり身につけているのであれば、
もちろん、どこから調整していってもいいかもしれないが、
それでも基本は低音を基準として、その上に積み上げていくことだ。