オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ヤマハのA1・その4)
ステレオサウンド 45号のヤマハ(日本楽器製造)の広告は、
44号での広告とはがらりと変ってしまった印象がある。
見た感じはどちらもヤマハの広告とわかるものに仕上っている。
けれど45号では見開き二ページで一機種を紹介している。
プリメインアンプのA1、チューナーのT1、パワーアンプのB3、アナログプレーヤーのYP-D10、
これら四機種が、いわば通常のスタイルで紹介されている。
もうここには、44号でのGlobal&Luxurious groupとEssential&Fidelity groupの文字はない。
ヤマハは45号、46号……と、
Global&Luxurious groupとEssential&Fidelity groupでの広告展開をやっていくのだと思っていた。
44号の広告には、
《この秋、ヤマハは、GL groupとEF groupとに分けて、あらゆるジャンルに20機種に近い新製品を登場させます。それらは──それぞれが魅力的な個性を鮮やかにして、大方の期待をはるかに裏切る高次元に登場することになるでしょう。そこに──ヤマハオーティオのエレクトロニクス・エンジニアリングの限りない情熱と鹿知れぬ未来性を垣間見ていただけることでしょう。》
とあったからだ。
広告の展開が期待したものではなくなったけれど、A1への期待が薄れていったわけではなかった。
ステレオサウンド 45号の新製品紹介の記事にA1が登場した。
45号では案譜の新製品としてマークレビンソンのML2、マッキントッシュのコントロールアンプC32、
テクニクスのSE-A1とSU-A2のペア、ビクターのEQ7070とM7070、
これらの他にも話題となりそうな製品が多かった。
そのためかA1は新製品紹介のページをめくってもなかなか登場してこない。
話題性の大きなモノほど先に登場する。
後になるのはさほど話題性のないモノということがあるのは、すでにわかっていた。
ヤマハのA1は最後の方でやっと出て来た。
井上先生が書かれていた。
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A−1は、他のヤマハのプリメインアンプとは異なるフレッシュで伸びやかな明るい音が大変に印象的である。音のクォリティが高く、十分な表現力があり、セパレート型アンプの魅力をインテグレート化したといえるユニークな製品である。
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この部分を何度くり返し読んだことだろう。