世代とオーディオ(ガウスのこと・その5)
JBLのスピーカーシステムのユニットをガウスに換装する──、
そんなことをあれこれ考えていたのは、ガウスのユニットへの強い関心だけでなく、
ガウスの音がどういう音なのかがつかめていなかったことも大いにある。
ガウスの音を聴く機会はいなかにいたころはなかった。
となるとオーディオ雑誌のでの評価が気になるわけだが、
ガウスの輸入元となったシャープによるスピーカーシステムの第一弾、CP3830は、
ステレオサウンドの新製品紹介では取り上げられていなかった、と記憶している。
第二弾のCP3820は52号の新製品紹介に登場している。
さらに54号の特集でも取り上げられている。
52号の新製品紹介のページをみて、やっと登場した、と思い読んだ。
CP3820は2ウェイのスタジオモニターであり、
あとからトゥイーターの1502を追加して3ウェイに対応できる。
このことからわかるようにCP3820はJBLの4331を意識したモニターである。
ドライバーは4331は2420だが、CP3820には2440相当のHF4000という違いはあるものの、
コンセプトそのものは4331そのものといえる。
できれば1502を最初から搭載した3ウェイで出してほしかった、と思っていた。
そうすれば、もっとガウスの音についてはっきりしたことがわかるのに……、と思っていた。
HF4000は、52号の記事によれば、
《ハイエンドまでスムーズで、決してレンジが狭い感じがない》と山中先生が発言されている。
そうであろう。
でも1502ほどには高域が伸びているわけではないし、
JBLの4331と4333の関係からしても、ガウスの3ウェイの音が聴きたい、と思う。
それに井上先生がいわれている。
《最良の状態で鳴るガウスのウーファーは、厚みのある低音が特徴となっているのですが、その点にやや不満が残りました。もう少し分厚く、しっかりした質感のクリアーな音が出てしかるべきだと思います。しかし、ウーファーが強力なだけに、エンクロージュアづくりはむずかしいのでしょう。》
CP3820が中途半端なまとめ方のスピーカーのように思えたものだ。