ボンジョルノとレヴィンソン(その6)
マークレビンソンの最初の、そして代表的なアンプといえば、やはりLNP2となる。
LNP2は、Low Noise Preamplifierの略である。
LNC2は、Low Noise Crossover Networkの略だと思う。
LNC2を知った中学生のころは、Low Noise ChannelDividerだと思っていた。
日本ではマルチアンプシステムを組み場合に必要となるエレクトリッククロスオーバーネットワークを、
チャネルデバイダー(略してチャンデバともいう)と呼ぶことが多い。
けれどアメリカでは、そうは呼んでいない。
だから、おそらくCrossover Networkの方だと思われる。
ヘッドアンプのJC1、薄型のコントロールアンプJC2は、設計者のJohn Curlの頭文字である。
JC2は1977年にML1と型番が変更された。
MLとは、いうまでもなくMark Levinsonの頭文字である。
つまりMLシリーズは、設計者がジョン・カールではなくマーク・レヴィンソンに変ったことを意味している──、
そう日本では当時伝えられていた。
ジョン・カールとマーク・レヴィンソンが仲たがいしたのは、
この件が大きかった、とジョン・カールに以前にインタヴューしたときに聞いている。
そういえはディネッセンから1980年代に登場したコントロールアンプは、
ジョン・カールの設計で型番はJC80だった。
ジョン・カールがJCという型番にこだわるのは、それだけプライドがあってのことだろうが、
それにしても……、と思うところも正直ある。
レヴィンソンに関しては、会社名にも型番にも自分の名前をつけるのは、いかがなものか、と、
いまは思う。
そういまは思う、のだ。
マークレビンソンのアンプを知った中学生のころは、
その会社(ブランド))名、型番もカッコイイと思っていた。
そんな時期があった。