Date: 9月 16th, 2015
Cate: James Bongiorno
Tags:

GASとSUMO、GODZiLLAとTHE POWER(その6)

ステレオサウンド 52号のインタヴューで、ジェームズ・ボンジョルノはこう語っている。
(ききては長島先生)
     *
ボンジョルノ 従来のアンプですと振動板の持っているイナーシャが、信号に確実に比例した動きに逆らおうとする力として働くのです。もちろん逆起電力によってもブレーキがかかるわけですが、その時点で次の入力信号に合わせて振動板を駆動しなければならないという、じつにやっかいな仕事を強いられていたわけです。
〝ザ・パワー〟では、新しく開発した〝フォア・クォドラント差動平衡型ブリッジ回路〟によって、いままでのパワーアンプの問題点を解決したつもりです。
長島 その新しく開発された回路の基本的な考え方というのは、どういうことなのですか。
ボンジョルノ それは平衡型ブリッジの四隅から同時にフィードバックをかけることで、スピーカーの+、−側にアンプから4組の独立したプッシュプル・フィードバックをかけ、スピーカーの振動板を強制的に入力信号に比例するように動作させるというものです。
長島 今おっしゃったフルブリッジ回路によって、従来のパワーアンプとは格段の動的忠実度を達成できたんですね。
ボンジョルノ そうです。これこそ〝コンピューター・サーボ〟と呼ぶにふさわしい、本格駆動方式なのです。
     *
GASからは1978年にTHE BRIDGEが出ている。
どんな製品だったっけ……、と思われる人もいるだろう。
THE BRIDGEは、いわゆるブリッジアダプターで、トランスを使っているため電源は必要としない。
SUMOからもブリッジアダプターは出ている。
THE MOATという。こちらはゲイン0dBのユニティアンプを使っている。

THE BRIDGEを出したころは、ボンジョルノはまだGASにいたのどうか微妙になってくる。
つまりこのころから(もしくはそれ以前から)、パワーアンプのブリッジ化を考え、
AMPZiLLAを二台用意してのブリッジ接続による実験で、なんらかの手応えを得ていたのではないだろうか。

そのためのTHE BRIDGEであるわけだが、THE MOATとは内部が違いすぎる。
けれどTHE BRIDGEには、定冠詞のTheがついている。
GASの製品の型番にTheがついてるのは、THE BRIDGEだけである。

ということはTHE BRIDGEまでがボンジョルノが手がけたのだろうか。

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