GASとSUMO、GODZiLLAとTHE POWER(その1)
ステレオサウンド 51号(1979年6月発売)の新製品紹介のページに、GASのGODZiLLAが登場した。
Ampzillaの上級機としてGodzillaが出る、というウワサはきいていた。
CESでプロトタイプが発表されていた写真も見ていた。
ついにGodzilla(ゴジラ)が登場したのか、と思った。
51号のバブコ(GASの輸入元)の広告には、ゴジラの写真が使われている。
ゴジラ襲来!
日本全域が、その足跡に蹂躙されるのは、時間の問題か!?
とてもオーディオ機器の広告のコピーとは思えないものだった。
けれど、ふしぎなことにGODZiLLAの写真はなかった。
同じ号の記事には登場しているのに、輸入元の広告には写真がない。
理由は52号ではっきりとする。
52号の特集は「いま話題のアンプから何を選ぶか」であり、
GASのアンプは、コントロールアンプのTHAEDRA IIとパワーアンプのGODZiLLA ABが取り上げられている。
GODZiLLAには、二つのヴァージョンがあった。
A級動作で90W+90WのGODZiLLA A、AB級動作で350W+350WのGODZiLLA ABであり、
価格はどちらも1580000円だった。
ただ51号に登場したGODZiLLAと52号に登場したGODZiLLAとでは、外観に少し変更が加えられている。
51号のGODZiLLAにはメーターがある。それからインプットレベルコントロール(左右独立)もあったが、
両方とも52号のGODZiLLAからは省かれている。
左右独立の電源スイッチ、動作状態を示すLEDは共通している。
おそらく51号のバブコの広告にGODZiLLAの写真が載っていなかったのは、
外観の最終版が間に合わなかったためであろう。
メーターもレベルコントロールも省かれたGODZiLLAの外観は、
Ampzillaの、あの独特の外観とは違い、
いたって一般的な、19インチ・ラックマウントのパワーアンプの外観である。