組合せという試聴(その2)
アンプの試聴の場合、
アンプ以外のオーディオ機器、
スピーカーシステム、CDプレーヤー(もしくはアナログプレーヤー)をそのままである。
アンプだけを換え、他はいっさい変えないようにして試聴を行う。
組合せの場合はどうだろうか。
スピーカーの選択から始まることもある。
スピーカーが決っていれば、アンプの候補をいくつか選び、それらをつなぎ替えて聴いていく。
アンプが決ったら、いくつかのCDプレーヤーの候補を聴いていく。
すべての組合せの試聴がそうだとは限らないが、
おおまかな流れとしてはアンプを決める。
ということはアンプを決めるための試聴は、
ステレオサウンドが行っているアンプの徹底試聴となにが違うのか、ということになる。
スピーカーシステムは、一般的な試聴の場合には試聴室に常備されているリファレンススピーカーで行う。
組合せの場合は、対象となるスピーカーが変る。
つまり組合せにおけるアンプの選択のための試聴はと、
一般的なアンプの試聴との違いは、スピーカーが違うということだけなのか。
ならばアンプが決ったあとにCDプレーヤーをいくつか聴くのは、
いつものCDプレーヤーの試聴とはアンプとスピーカーが違うだけなのか。
つまり組合せの試聴とは、
いつもの試聴とは使用機材が違うだけなのか──、そういえる面がある。
それでも一般的な試聴と組合せの試聴には、大きな違いがある。
一般的な試聴は、いわば受動的な試聴であり、
組合せの試聴は、能動的な試聴である。
ここで勘違いをしないでほしい。
受動的試聴より能動的試聴のほうが上だとか、受動的試聴はいらない、といいたいわけではない。
受動的試聴、能動的試聴、どちらも必要なことである。