ダブルウーファーはロマンといえるのか(その3)
ごく初期のJBLの4435のように、ダブルウーファーでも、
片側は2234H、もう片方は2234Hにマスコントロールリングを装着した仕様の2235Hであり、
2235Hは2234Hよもf0が低く、
この場合、シングルウーファーよりもダブルウーファーとすることで低域の再生下限はのびる。
低域の再生下限をのばしたければ、
同口径でもよりf0の低いウーファーを使うか、より大口径のウーファーを用意した方がいい。
ではなぜダブルウーファーとするのか。
単純に同じユニットを二発使えば音圧は3dB上昇する。
これはメリットではあるものの、
最大出力音圧レベルに不足を感じていない、
パワーアンプにより出力の大きなモノをもってこれるのであれば、さほどメリットとはいえなくなる。
そんなことはわかっていても、ダブルウーファーにする人がいるし、ダブルウーファーに憧れる人がいる。
その理由は頭で考えるよりも、ダブルウーファーがよく鳴っている音を一度でも体験してみればわかる。
ダブルウーファーがうまくいけば、エネルギーの再生において、あきらかなものがある。
低域の再生において、エネルギー的にシングルウーファーとダブルウーファーは、
音圧の3dB上昇以上に、感覚的には6dBほどの違いがあるといえる。
この低域のエネルギーは、音のリアリティと直結しているようにも、
ダブルウーファーのシステムを聴けば、そう感じられる。
ナマより生々しい音──。
ナマの楽器の実体感、リアリティが、シングルウーファーよりもグンと増すというよりも、
シングルウーファーでは越えられなかった領域を聴かせてくれる。