Date: 7月 6th, 2015
Cate: 試聴/試聴曲/試聴ディスク
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ブラインドフォールドテスト(その4)

オーディオ機器の評価の難しさは、それ単体では音が出せない(出ない)というところにある。
パワーアンプの試聴をするにも、
パワーアンプだけを用意すれば試聴が可能になるわけではない。

必ずアナログプレーヤーなりCDプレーヤーが必要になり、
コントロールアンプ、スピーカーシステムも用意しなければならない。
そしてこれらの機器を接続するためのケーブルも、である。

パワーアンプの音を聴くといっても、
実際にはそこでのトータルの音を聴いているわけである。
いうまでもなく、そこでのトータルの音には、オーディオ機器だけでなく部屋も含まれる。

だからこそ馴染んだ環境がなければ、実のところ試聴は成立しない。
ステレオサウンドの筆者にとっては、ステレオサウンドの試聴室がそういうことになる。

同じ場所で、その試聴室のリファレンス機器での音を何度も聴いて知っているからこそ、
試聴は成り立つといえる。

つまりパワーアンプの試聴は、
同じ場所での同じ機器での音の一部(パワーアンプ)を交換した音を聴いているわけで、
交換した一部以外は、いっさい変更してはならない。
そして交換する一部は、すべての機種を可能なかぎり同条件のセッティングが前提となる。

つまり置き場所、置き方、電源のとり方、その場所、
コントロールアンプとの接続ケーブルの引き回し、スピーカーケーブルの這わせ方など、
すべての機種で同じになるように注意しなければならない。

パワーアンプにはステレオ仕様とモノーラル仕様がある。
注意したいのはモノーラル仕様の場合である。
たいていの壁コンセントには挿込み口が二つある。

私がいたころはステレオサウンドの試聴室では、
ステレオアンプは上の挿込み口から、
モノーラルアンプの場合は、左チャンネルを上、右チャンネルを下の挿込み口からとるようにしていた。

左チャンネルを上、右チャンネルを下にしていたのは、
これがすべての場合において音が良いから、ということではなく、
常に同じセッティングをどの機種に対しても行うための、いわばルールである。
いうまでもないが、電源の極性は合せている。

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