Date: 5月 22nd, 2015
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これまで(ハンダ付け)

ずっと以前の話だ。
山水電気は新入社員の研修の一環として工場に行き、ハンダ付けをやらされる。
プリント基板にではなく、魚を焼くときに使う金属製の網をである。

網のワイヤーとワイヤーが交わっている箇所を、すべてハンダ付けしなければならない。
山水電気はオーディオ専業メーカーだから、
新入社員の多くはラジオ、アンプの自作の経験を持つ者も多い。
ハンダ付けにもみな自信を持っている。

すべての箇所がハンダ付けされた網を、
工場勤務の女性が手にとり、作業台の天板の角に網を叩き付ける。
するとハンダがボロボロと落ちていくそうだ。

工場勤務のハンダ付けのベテランの人たちによる網は、当然のことながらひとつも落ちない。

昔はそういう人たちの手によって、オーディオ機器が作られていた。
高価で信頼性の高い部品をどれだけ使おうと、
余裕のある動作をする設計しようと、
ハンダ付けの技術が未熟な手で作られてしまえば、どうなるか。

山水電気の新入社員たちは工場に勤務するわけでhなく、
開発や、営業、広報の仕事につくわけで、網にハンダ付けができてもできなくと、
工場から出来上がってくる製品の出来には直接関係ないわけだが、
だからといって、このハンダ付けの研修が無駄とは思わない。

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