日本のオーディオ、これから(NIRO Nakamichiの復活・その2)
Nakamichi(ナカミチ)といえば、テープデッキである。
それもカセットデッキである(オープンリールデッキもフィデラ・ブランドで出していた)。
カセットテープにそれほど関心があったわけではない私にとって、
ナカミチという存在は、積極的にカセットデッキを開発しているメーカーという印象に留まり、
個人的にナカミチというブランドに思い入れがあったわけではない。
ナカミチもカセットデッキだけでなく、ターンテーブルの開発も行った。
TX1000というターンテーブルである。
いまでも中古市場では人気があるらしい。
技術的には意欲的なところをもつターンテーブルではあった。
TX1000はステレオサウンドの試聴室で聴いている。
レコードの偏芯による音の変化も確認している。
たしかに、その音の効果は耳で確認できる。
とはいえTX1000が素晴らしいターンテーブルだと思っていないので、
中古市場での高値を見ていると、不思議な感じがしてくる。
そしてナカミチはB&Wの輸入元でもあった(その前はラックスと今井商事だった)。
同時期にスレッショルドと技術提携してステイシス回路搭載のパワーアンプ、
ペアとなるコントロールアンプも出してきた。
これ以前にも、傾斜したフロントパネルをもつセパレートアンプを出していたけれど、
やはりナカミチといえばカセットデッキのメーカーという印象が強すぎていた。
1980年代にはいり、ナカミチは総合オーディオメーカーを目指しはじめていたのかもしれない。
結果的にうまくいかなかった、といえよう。
カセットデッキ専門メーカーというイメージが強すぎたためなのか。
とにかくナカミチは香港のファンドに買収されてしまった。
そしてNIROが、中道仁郎氏によって1998年に設立された。