40年目の4343(なぜ、ここまでこだわるのか)
ブログを書いていて、われながら、なぜここまで4343にこだわるのか、と思わないわけでもない。
このブログで、オーディオ機器に関しては4343のことをもっとも多く書いている。
読まれる方の中には、「また4343か」という人がいるのはわかる。
それでも、こうやって4343について書いているのは、
オーディオ界を見渡すためにも必要なことのように感じているからでもある。
もちろん個人的な理由の方が大きいとはいっても、
4343という、いわばスタジオモニター、それも高価なスピーカーシステムが、
驚異的な本数が売れたということは、なにか象徴的な現象のように思える。
そういえば……、と思いだす。
菅野先生が、ステレオサウンド別冊「JBLモニター研究」で、次のように書かれている。
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そしてその後、中高域にホーンドライバーを持つ4ウェイという大がかりなシステムでありながら、JBL4343というスピーカーシステムが、プロのモニターシステムとしてではなく、日本のコンシューマー市場で空前のベストセラーとなった現象は、わが国の20世紀後半のオーディオ文化を分析する、歴史的、文化的、そして商業的に重要な材料だと思っている。ここでは本論から外れるから詳しくは触れないが、この問題を多面的に正確に把握することは、現在から近未来にかけてのオーディオ界の分析と展望に大いに役立つはずである。
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1998年に書かれている。
4343に憧れてきたひとりとして、そのとおりだと思うとともに、
残念に思うのは、いまのステレオサウンドには4343という材料(問題)を、
多面的に正確に把握することは期待できない、ということだ。
「名作4343を現代に甦らせる」という記事が、強く裏付けている。