私的イコライザー考(音の純度とピュアリストアプローチ・その8)
グラフィックイコライザーの使いこなしは、はっきりいって難しい。
そう簡単にうまく調整できるようになるとは思わない方がいい。
グラフィックイコライザーの有用性について書いている私にしても、
菅野先生のレベルにたどり着けるのだろうか……、と思ってしまう。
適当な使い方で、ひとり悦にいっているレベルで満足できるのであれば、
グラフィックイコライザーの使いこなしはそう難しくない、とはいえる。
けれどグラフィックイコライザーの本当の有用性は、そんなレベルのずっと先にある。
だから、グラフィックイコライザーを導入しても、最終的に外すことになっても、
それでいいではないか、とも思う。
ただ導入を決めたのなら、最低でも一年間はグラフィックイコライザーをシステムから外すことなく、
こまめに調整(いじって)みていただきたい。
最初から、うまくいくはずはない。
だから一年間は諦めずにとにかくグラフィックイコライザーと正面からつきあうしかない。
うまくいく日もあればそうでない日もある。そうでない日の方が多いだろう。
ひとついえるのは最初からいい音に調整しようと思わないことである。
まずは音の変化に耳を傾ける。
どんなふうに音が変化するのかを、身体感覚として得られるようになりたい。
そして、コントロールアンプにモードセレクターがあったほうが調整には役立つ。
もうひとついえるのは、好きな音に仕上げていくためのツールではない、ということだ。
正しい音とはなにか? を思考していくツールであり、
「正しい音」ということをつねに意識しておくことが重要だと、私は考えている。