Date: 2月 8th, 2015
Cate: 進歩・進化
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拡張と集中(その6)

スピーカーの変換効率は、相当に低い。
93dB/W/mで1%の変換効率である。
30数年前は93dB/W/mは高能率ではなかった。
標準的もしくはフロアー型で、この値ならばやや低めの値という認識だった。

それがいまでは90dB/W/mでも能率が高いようにいわれるくらいに、
スピーカーの変換効率は低くなっている。

低くなっている、ということは、悪くなっている、ということである。
確実に悪くなっている。

けれど、そのことを問題とする人はあまりいないように見受けられる。
パワーアンプの出力が十分にあるのだから、
スピーカーの変換効率は低くてもかまわない、ということのようだ。

だがスピーカーに入力された信号の多くは、音にならずにどこへ行くのか。
93dB/W/mで1%なのだから、99%の信号はどうなるのか。
93dBより低いスピーカーならば、99%以上の信号が熱になってしまう。

その熱を発するのはボイスコイルであり、
ボイスコイルはエンクロージュアによって隠されているし、
さらに磁気回路によって覆われているから、直接見ることはないしさわることもない。

ゆえにボイスコイルの熱を使い手が認識することはほとんどない。
けれど低能率のスピーカーてあればあるほど、ボイスコイルが発する熱量は多くなる。
ボイスコイルの温度が上昇する。

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