Date: 12月 4th, 2010
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その32)

瀬川先生が、1981年夏に出たステレオサウンド別冊のセパレートアンプの巻頭原稿のなかで、
マランツ、マッキントッシュ、JBLのそれぞれのアンプを、
「JBLとマッキントッシュを、互いに対立する両方の極とすれば、その中間に位置するのがマランツ」
と位置づけられている。

私の中で、スレッショルドとGASが、ちょうどJBLとマッキントッシュに近い印象で、
女性的・男性的という意味で互いに対立する両方の極だった。
その中間に位置していたのがマークレビンソン(それもML7以降は特につよく感じていた)。

スレッショルドとGASは、音もそうだけれども、アンプのデザインについても、対立する両方の極といえた。

スレッショルドのアンプのデザインとボンジョルノのつくるアンプのデザインを比較する。
STASISシリーズとSUMOのパワーアンプは、スピーカーでいえばJBLとアルテックの仕上げの関係に近いと思う。
JBLの、スタジオモニターであろうと、そのまま家庭に持ち込んでも異和感のない洗練された仕上げに対して、
アルテックの612やA7といった一連のスピーカーの仕上げは武骨である。けっして丁寧とはいえない。

STASIS1が、他社のアンプにはない独特の色気をもち、細部の仕上げもきちんとなされているのに、
SUMOのThe Power、The GoldはアルテックのA7のように、粗いところがある。
こんなところも、ボンジョルノのアンプに対する反撥になっていったし、
スレッショルド、というよりも800Aに惚れ込んでいた私は、
GASのアンプ、ボンジョルノのつくるアンプとは縁はないだろうな、となんとなく思っていた。

なのにスレッショルドのアンプは一度も買うことはなく、いきなりThe Goldを買うことになるから不思議だ。

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