アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その7)
最近のトーンアームの中には、針圧の目盛りのないモノがある。
そういうトーンアームを使うには、どうしても針圧計が必要となる。
針圧の目盛りのないトーンアームは昔もあった。
グレイのトーンアームがそうで、針圧計も昔からあった。
シュアー、キースモンクス、スペックス、ナガオカ、グレース、N&Cなどがあった。
これらはシーソー式で、オモリを移動したりオモリを追加したりして、
シーソーが水平になる値が針圧を示していた。
電子式の針圧計はテクニクスのSH50P1が最初だった。
針圧計の精度にこだわる人がいる。
0.1g単位ではなく0.01g単位で測定できるモノ、
さらにはもう一桁精度の高いモノが望ましい、ということになっている。
なぜ、そこまで精度の高さを針圧計に求めるのだろうか。
私はシュアーの針圧計で充分である。
シュアーでなくともいい、シーソー式の針圧計で何が不足なのだろうか。
そう問えば、精度が……、という答が返ってくる。
たしかにカートリッジの針圧はわずかな変化でも音は変化してくる。
EMTのTSD15の針圧は2〜3g、最適2.5gとなっている。
TSD15を使う時、まず2.5gに針圧をセットして音を聴く。
それから2gにしてみる、次に2.5gと3gの中間値である2.25gにする。
上限の音も聴いてみる。3gにして聴く。
次に3gと2.5gの中間値2.75gの音を聴く。
それでどのあたりの音が望ましいのかあたりをつけるわけだ。
たとえば2.75gの音がよかったのであれば、2.5gと中間値、3gとの中間値の音を聴く。
こうなふうにして最適値をさぐりあてていく。
そうやってある針圧に決めて、その針圧を測る。
その値が2.6gだったとしよう。
カートリッジをいくつも持っていて、頻繁に交換する人は、
次の機会にTSD15をとりつけたときに、針圧計を使い、2.6gにセットするのだろうか。