ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その30)
いまではあまり使われなくなった表現だが、1970年代から80年にかけては、
男性的な音、女性的な音、というたとえがわりとあった。
スピーカーでいえば、アメリカ生まれのスピーカーは男性的、
イギリス系のスピーカーは女性的で、同じイギリスのスピーカーでも、BBCモニター系のモノよりも、
タンノイ、ヴァイタヴォックスといったスピーカーは、より年上的とも表現されることがあった。
アンプでいえば、国産のモノならば、瀬川先生はよくオンキョーのプリメインアンプに対して、
女性的、という言葉を使われている。
具体的にIntegra A5、A7、A722nIIなどがそうだ。
男性的なアンプの代表となると、当時はやはりGASだった。すくなくとも私にとっての印象は、そうだった。
この「男性的」ということばが、実はGASのアンプを意識的に遠ざけることに、私のなかではそうなっていった。