電子制御という夢(その31)
こんなことを書いているけれど、私がSL10を買ったのは、SL15の登場後である。
SL15が欲しくなかったわけではない。
SL15の150000円は、そのころの私には少し高すぎた。
SL10にしてもSL15でもセカンドプレーヤーとしての使用である。
それに150000円は出せなかった。
だからSL10を選んだ。
そして後悔した。
テクニクスのエンジニアもSL10の任意の曲の頭出しが意外に難しいのはわかっていたはず。
だからこそ蓋にキャリングインディケーターをつけたのだろうし、
ほんとうに出したかったのはSL15だったとも思える。
けれどSP10発表10周年を記念しての10づくしのプレーヤーなのだから、
自動選曲機能は予算の関係で無理だったのだろう。
SL10の附属カートリッジはMC型でヘッドアンプも内蔵されていたのが、
SL15ではMM型に変更になり、ヘッドアンプもない。
それでもSL10の五割アップの価格である。
SL10の仕様で自動選曲機能をつけていたら、もっと高くなっていたであろう。
とはいえSL10は成功である。
SL10はステレオサウンド 53号でState of the Artに選ばれている。
SL10と同時にState of the Artに選ばれたアナログプレーヤーは、パイオニアのExclusive P3。
53号では見開きで、この二機種が並んだ写真が載っている。