ポジティヴな前景とネガティヴな後景の狭間で(その2)
「Back to the Future」という映画がある。
1985年に一作目が公開されヒット、二作、三作とつくられ公開された。
「Back to the Future」、
だから映画のタイトルであり、映画のなかで使われるセリフという認識のままだった。
その認識が変ったのは、川崎先生のDesign Talkで「Back to the Future」の本当の意味を知ったからだった。
「Back to the Future」の本当の意味については、いま川崎先生のブログで読める。
この「Back to the Future」の本当の意味を知らずに、
グレン・グールドの「音楽院卒業生に贈ることば」を読んでも、
グールドが何をいっているのかあまり理解できないのではないだろうか。
「音楽院卒業生に贈ることば」をきいてきた当時のトロント大学王位音楽院の卒業生たちのどれだけが、
その場でグールドが伝えようとしたことを理解できたのだろうか。
グレン・グールド著作集は1990年に出ている。
すぐに買って読んだ。
「音楽院卒業生に贈ることば」は著作集1の最初にあるから、真っ先に読んだ。
けれど、1990年の私は理解していたとはいえなかった。
一見当り前のように思えるポジティヴな前景とネガティヴな後景。
だが「Back to the Future」の本当の意味を知って読めば、けっしてそうでないことに気づき、
グールドは「Back to the Future」の本当の意味を知った上で、
ポジティヴな前景とネガティヴな後景という言い回しをしたのだ、といえる。