戻っていく感覚(なのだろうか)
本だけでなく、DVDやゲームソフトも取り扱っている書店には、
液晶テレビが置いてあり、話題のDVDのデモが映し出されている。
今年は、ここに「アナと雪の女王」がよく映し出されていた。
ほとんどの場合、液晶テレビの前に小さな子供がいた。
じぃーっと「アナと雪の女王」を見ている。
くいいるように見ている。
お母さんもいっしょに見ていることが多い。
もうひとつ「妖怪ウォッチ」のようかい体操第一もよく映し出されていた。
こちらも子供たちがくいいるように見ているところに何度も遭遇している。
そんな子供たちの姿をみていると、
私もこのくらいのころは、こんなふうにテレビをみつめていたのか、と思う。
子供には子供向けのテレビ番組がある。
ずっと昔からある。
世代が違えば見てきた子供向けのテレビ番組は違っている。
人によっては割と早い時期から子供向けの番組は見なくなるだろうし、
ほとんどの人がもう見ていない、となる。
それでも結婚し子供が生まれ、子供がテレビ番組に興味を持ちはじめるころになれば、
子供と一緒に子供向けのテレビ番組を見ることになる。
世代が同じでも、子供といっしょに子供向けのテレビ番組をみるころには、
人によって、その時期は違ってくる。
早く子供が生まれた人、遅くに生れた人とでは10年くらいの開きがあっても不思議ではない。
子供もひとりだけの人もいればふたり、三人という人もいるから、
そうなると、子供向けの番組を二番目の子供、三番目の子供といっしょに見ることになる。
結婚していなかったり子供がいなかったりしたら、
大人になってから子供向けの番組を見ることはないのが、普通ということになるのか。
「子供向けだからなぁ……」という人がいる。
ここでの「子供向けだからなぁ……」には、
「子供だましだからなぁ……」というニュアンスがふくまれていたりする。
だがほんとうに子供だましなのか。
少なくとも「アナと雪の女王」、「妖怪ウォッチ」のようかい体操第一を見ている子供たちの表情をみれば、
子供だましではないことが伝わってくる。