私的イコライザー考(音の純度とピュアリストアプローチ・その4)
オーディオマニアを揶揄するのに、絶対音感がないのに……、というのがある。
そう多くみかけるわけではないが、これまでに数度目にしたことがある。
これを言う人は楽器を演奏する人で、絶対音感を持っている人であった。
オーディオで音を追求する上で、絶対音感はあればあったほうがいいくらいにしか、私は思っていない。
それよりも必要なのは、絶対音色感だと思っている。
この絶対音色感、あるミュージシャンが言っていたのを、何かでみかけた。
この人も絶対音感は持っていない、ということだった。
けれど、絶対音感を持っている人以上に、自分は絶対音色感を持っている、と。
絶対音感と絶対音色感。
どちらも高いレベルでもっているのがいいのはわかっているが、
どちらかひとつということになれば、絶対音色感であろう。
それほどに音色は重要であり、ここで言っている音色は、オーディオ機器固有の音色も含まれるが、
それ以上に重要なのは楽器の音色である。
いつごろからか「音色より音場」といわれるようになってきた。
音色を大事にする聴き方は、いかにも古い聴き方であるかのようにいう人がいる。
オーディオ機器固有の音色だけの話であれば、同意できなくはないが、
楽器の音色となると、「音色より音場」に同意できない、というより、
理屈としておかしいことに気がつかないのか、と返したくなる。