私的イコライザー考(音の純度とピュアリストアプローチ・その2)
日本では、昔から、余計なことをするな、余分なものを加えるな、というのが、
オーディオにおけるピュアリストアプローチだったような気がする。
たとえばアナログディスクの製作過程においても、
マスターテープのままカッティングしろ、というのが以前からある。
カッティング時に音をいじるのはけしからん、というやつである。
これはCDが登場してからも同じである。
何もいじらずにマスターテープのままCDにしろ、と主張する人たちがいる。
いまCDの規格(16ビット、44.1kHz)よりもハイビット、ハイサンプリングのソースが増えはじめている。
ハイレゾと呼ばれている。
ここでも、せっかくの器の大きな規格なのだから、
その良さを最大限に活かすためにも何もいじるな、という人たちが表れている。
そういう人たちからすれば、アナログ録音のものをアナログディスクにする際に、
デジタルリマスターするなど、もってのほかとなる。
CDが登場してから、CD化のためにデジタルリマスターが行なわれるものがあった。
そのデジタルリマスターをアナログディスクのマスターとして使ったレコードが出ていた。
CBSソニーから出ていたブルーノ・ワルターえコロムビア交響楽団がそうだった。
頭だけで考えれば、アナログ録音をアナログディスクで供給するのに、
途中でデジタル処理(デジタル機器)を通すのは、音を悪くするだけのことにしか思えない。
それでも買って聴いてみた。