2014年ショウ雑感(Saxophone Colossus)
今年のインターナショナルオーディオショウで、
三つのブースでソニー・ロリンズのSaxophone Colossusが鳴っていた。
たまたま入ったブースで鳴っていたわけで、こういう偶然はおもしろい。
これまでインターナショナルオーディオショウでSaxophone Colossusがかかっていたのに出会したことはなかった。
あったのかもしれない。
けれど、Saxophone Colossusが鳴っているときに、そのブースに私が立ち寄らなかっただけなのかもしれない。
そうだとしても、今年はたまたま立ち寄ったブースの三つで鳴っていたのだから、
これは何かの啓示だ、とまでは思わないまでも、何かを考えさせるきっかけにはなる。
どのブースのSaxophone Colossusがどう鳴っていたかを、ことこまかに書こうとは思っていない。
書きたいのは、前々から感じていたことを、Saxophone Colossusのおかげで確信できた、ということである。
どこといってケチをつけるところはない音なのに、なにかが違うと感じるスピーカーがある。
スピーカーだけに限らない。アンプにもそういうのがあるし、カートリッジにも、他のにもある。
ただスピーカーに特に顕著であるから、こういうショウでいくつものスピーカーシステムを聴いていると、
そして今回のように同じ音楽(Saxophone Colossus)を三つのブースで聴く機会があれば、
そんな違和感的なものを感じてしまうことがある。
なんなんだろう、とときおり思い出しては考えていた。
インターナショナルオーディオショウという場なので、こまかな不備による音についてあげつらう気はない。
もっと、そのスピーカーがもつ本質的なところで感じるものの正体は、
音楽のアクセントの表現であることに気づいたのが、二年ほど前である。
明らかに音楽のアクセントがスタティックなスピーカーがある。