Date: 9月 28th, 2014
Cate: ワーグナー, 組合せ
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妄想組合せの楽しみ(カラヤンの「パルジファル」・その20)

カラヤンの「パルジファル」をそう受けとめるようになっているのだから、
それ以前とはスピーカーの選び方そのものが大きく変ってしまった。
以前だったら、もっと簡単にスピーカーを決めてしまっていただろう。

実を言うと、この項を書き始めた時、スピーカーシステムに何を選ぶかは決めていなかった。
なぜ、いまカラヤンの「パルジファル」をとりあげようと思ったのか、
そのこと自体を私自身が知りたかったから、書き始めた。

これだ、と思えるスピーカーシステムが思い浮ばなかったら……、と思わないわけではなかった。
しかも過去のスピーカーシステムではなく、いまのスピーカーシステムから選びたかった。

クナッパーツブッシュの「パルジファル」のためにはシーメンスのオイロダインがすぐに思い浮んだ。
クナッパーツブッシュの「パルジファル」は私が生れる前の演奏である。
私が「パルジファル」を知った時、クナッパーツブッシュはすでに亡くなっていた。

カラヤンの「パルジファル」はそこが私にとって違うところだ。
カラヤンは、まだ生きていた。
「パルジファル」は私がまだハタチになる前、青臭い少年だったときに出ている。

それだけでもクナッパーツブッシュの「パルジファル」とカラヤンの「パルジファル」は、
私にとっての意味合いが違ってくる。

これはだめだ、というスピーカーシステムは次々に浮んでいった。
それらのスピーカーシステムについて書いてもつまらない。

これだ、と思えるスピーカーシステムは、ほんとうにあるのだろうか……、
ほんとうに思い浮んでくるスピーカーシステムはあるのか……、
そんなふうにならなかったら、現行製品をひとつひとつ消去法で消していくしかないのか、
それで残ったスピーカーシステムは、カラヤンの「パルジファル」を聴くのにふさわしいといえるのだろうか。

いまは思い浮ばないだけで、きっとあるはず。そのおもいもあった。
ひとつあったことに、やっと気づいた。

ベーゼンドルファーから出ていたVC7である。

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