Date: 9月 25th, 2010
Cate: コントロールアンプ像
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私がコントロールアンプに求めるもの(その3)

アナログディスクの全盛時代に、名盤とよばれるレコードの製作過程において使われてきた機器、
それらの一部を再現することを思いついたのには、回路図を入手できるようになったことのほかに、
LPからCDへと移り変り、これからさきCDから配信へと移り変っていくことで、希薄になっていくもの、
それについて考えてたことも関係している。

パッケージメディアとしての特色、その色の濃さに関しては、LPからCDに移った時点で、かなり薄れた。
これについては、別項、ショルティの「指環」のところで書いていく。

これから先、アナログディスクの名盤もハイビット、ハイサンプリングでリマスターされて配信されてくるであろう。
そうなることを望んではいる反面、「色」はある意味失われていく。
もちろん違う意味で鮮明にもなっていくであろうが、その失われていく「色」に、
いさぎよく別れを告げることはできるかといえば、正直いって難しい。
再生側のどこかで、その「色」をなんとかとり戻すことはできないだろうか、
そのための手法として、LPの名盤に刻まれた音が通ってきた「モノ」を、
再生側にも用意して、そこをもういちど通らせる。
そうすることで、「色」が復活してきはしないだろうか、
そんな妄想アクセラレーターをONにしてしまったようなことを思いついたわけだ。

だから最新録音やこれから登場する録音に対しては、こんなことをやろうとは思っていない。
あくまでも、まだレコード会社による、レーベルによる、
録音年代・手法による音の違いの特色がよりはっきりしていた時代の録音を、
アナログディスクではなく、これから先のフォーマットで聴いていくために思いついたことである。

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