私がコントロールアンプに求めるもの(その2)
これまで使ってきたオーディオ機器のなかでも、とくに気に入っていたものについては、
できるだけ回路図を、どこからか入手してきていた。
もちろんどうやっても手に入らないものあったし、
まだ手にいれていなくても、いつかは……と思っているモノに関しても、事前に手に入れるようにしていた。
回路図を見たからといって、音を良くすることにつながっていくことは、ほとんどない、といってもいい。
アンプやスピーカーのネットワークを改造しようと考えている人ならば、
回路図の入手は、音を良くする行為──ただ必ずしも改良につながるわけでもないが──につながっていく。
私の場合、知的欲求として、なにか特別なものを感じさせてくれるオーディオ機器が目の前に現れると、
とにかく回路図がどうしても見たくなる。
素子数が少なければ、実物をみて回路図をおこす、ということも、
以前ヴェンデッタリサーチのヘッドアンプ、SCP1でやったことがある。
やればわかるが、SCP1程度の素子数でも、けっこうな時間がかかる。
これがもうすこし規模の大きいコントロールアンプやパワーアンプになれば、
やってやれないことはないだろうが、まず無理といえる。
いまあらゆる企業がウェブサイトを公開しているし、
個人のサイトも、いったいどれだけの数があるのは想像もつかないほどある。
そういったサイトの中には、以前に手にいれたかった回路図を公開しているところが、さがせばある。
単にGoogleで検索をかけても、すぐには、というか、ほとんど見つからないにちかいといってもいいが、
あるサイトのリンクのページを見て、リンク先のサイトをひとつひとつ見ていく。
さらにそこから、またリンク先を、ということをやっていくと、
思わぬところで、欲しかった回路図が公開されている。
そうやっていくつかの回路図をダウンロードしていくうちに、ふと思いついたのは、
ラインアンプとして、スチューダーのA80、C37、テレフンケンのM10、
これらに匹敵する他のオープンリールデッキ、
それらの再生アンプのコピーをつくってみる、ということ。